エコキュートの寿命は10年!ただし交換はタイミングが重要

エコキュートの寿命は10年が目安。15年・20年使えているご家庭もあるかもしれませんが、古くなれば故障が増え、修理代も高額になることから交換を検討しましょう。エコキュートの寿命が近づいたサインや修理費用・交換費用の目安などをお伝えします。

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エコキュートの寿命は10年!ただし交換はタイミングが重要

エコキュートの寿命は10年が目安!15年・20年は無理?

エコキュートの寿命は一般的に10年が目安です。なかには15年・20年と長く使っているご家庭もありますが、エコキュートの故障は生活にダイレクトに影響を与えます。そのため、完全に故障する前に交換を検討し始めるご家庭が多いでしょう。

メーカーが10年程度の使用を想定

設置場所(環境)や使用方法にもよりますが、メーカーは一般的に、10年程度の使用を想定しています。お湯を沸かすためのヒートポンプと、お湯を貯めておく貯湯タンクに分けて寿命の目安を見てみると以下のようになります。

  • ヒートポンプ:約5〜10年
  • 貯湯タンク:約10〜15年

このように10年ほど使用していると、ヒートポンプと貯湯タンクの寿命が同じようなタイミングでやってくる可能性があります。ヒートポンプはいわばエコキュートの核を担う部分ですが、修理代が高額になることも多いため、寿命を迎える前に交換を検討するご家庭がほとんどです。

メーカーの補修用性能部品の保有期間は7〜10年

メーカーがエコキュートの補修用性能部品(保守・交換用の部品)を保有しておく期間は、一般的に製造終了後6〜10年です。この期間が過ぎ部品の供給も終了すると、修理ができなくなることがあるため、実質的に寿命を迎えることになります。

メーカー保証は1〜5年!延長保証でさらに安心

エコキュートの修理費用は高額になることも少なくありません。そんなときに心強いのが保証ですが、メーカーやパーツによって保証対象や期間が異なるため注意が必要です。

無料のメーカー保証は1〜5年

  • 三菱電機:本体2年、熱交換器・コンプレッサー3年、タンク缶体5年
  • ダイキン:本体1年、冷媒系統3年、タンク缶体5年、水熱交換器3年
  • パナソニック:本体1年、冷媒系統3年、タンク(水漏れ現象)5年
  • コロナ:本体2年、熱交換器・コンプレッサー3年、タンク缶体5年
  • 日立:本体1年、冷媒回路3年、タンク缶体5年(※)

※:日立「ナイアガラタフネス」はすべて5年保証です

上記は2024年3月時点の、各メーカーの無料保証対象と期間の例です。「本体」とはヒートポンプと貯湯ユニットを指しますが、それとは別に、ヒートポンプに組み込まれている熱交換器やコンプレッサーに対しても保証期間が設けられています(対象はメーカーごとに異なるため、詳しくは保証書をご確認ください)。

メーカーの延長保証は5〜10年

  • 三菱電機:5年 12,100円、8年 25,850円、10年 31,460円
  • ダイキン:10年 30,800円
  • パナソニック:5年 11,524円、8年 25,666円、10年 29,700円
  • コロナ:5年 11,880円、8年 25,520円、10年 31,130円
  • 日立:7年 23,049円、10年 31,219円(※)

※:標準仕様タイプの場合。耐塩害・耐重塩害仕様タイプは7年26,192円、10年36,457円です

エコキュートの一般的な寿命は10年程度ですから、1〜5年しかないメーカーの無料保証だけでは心もとないですよね。そのため上記のような延長保証に加入する方も多くいます。有料ですが最大10年まで保証期間を延長できるため、6年目以降の故障リスクや修理代を考えてもぜひ加入しておきたい保証です。

なお「無料保証1〜5年+延長保証最大10年」ではなく、「無料保証期間とあわせて最大10年まで」という解釈になる点にご注意ください。

販売店独自の延長保証も

メーカー保証とは別に、販売店が独自に設けている延長保証もあります。メーカー保証+販売店独自保証で最長10年間など、長期保証が受けられるため安心感があります。また設置工事を請け負っている販売店なら工事保証が付いてくることも。

こちらはメーカー保証とかぶる内容ではなく、工事に起因する不具合など、メーカー保証ではカバーできない範囲に対する長期保証です。工事を依頼するときはぜひ、工事保証が付いているかどうかも確認しましょう。

交換するタイミングが重要な理由

エコキュートは、交換するタイミングが大変重要です。「まだ使える(故障もしていない)のに交換するのはもったいない」と感じるかもしれませんが、タイミングを逃すと以下のようにさまざまなリスクが生じるため、壊れる前に交換を検討し始めることが大切です。

生活への影響が大きい

エコキュートはお湯を沸かす・貯めておく設備なので、故障するとお風呂に入れない、冬場に水で食器を洗わなければならないなど、生活に大きな支障が出てしまいます。

故障してからでは遅い

完全に壊れてから修理や交換を依頼すると、数日不便な生活を強いられる可能性があります。部品の在庫がなければ取り寄せに数日かかったり、交換する場合も商品選びや工事で1〜2日かかったりすることもあります。

慌てて買い替えると失敗する

故障してから慌てて買い替えようとすると、各メーカーのエコキュートを比較・検討する時間が十分に取れないことがあります。「他店のほうが安かった」「以前よりも使い勝手が悪くなった」「見積もりを隅々まで確認しておらず、工事費用が高額になってしまった」など失敗や後悔のもとになるおそれがあります。

補助金には申請期限がある

エコキュートなどの高効率給湯器の設置・リフォームは補助金の対象となります。『給湯省エネ2024事業|経済産業省』では、最大18万円など高額な補助金が受け取れる可能性も。しかし補助金には申請期限があり、予算の上限も決まっているため、タイミングを逃すと補助金の交付が受けられなくなる可能性があります。

こうした理由からも、エコキュートは交換のタイミングが非常に重要であるといえます。

エコキュートの寿命が近いときに現れる症状

エコキュートは交換のタイミングが重要とお伝えしましたが、具体的にどのタイミングで交換を検討・決断すればよいのかも迷うところです。そこで、速やかに交換を検討したほうがよい症状についてまとめました。

エラーが頻発する

10年ほどお使いのエコキュートで、以前に比べ頻繁にエラーが発生するようになったら、寿命が近づいたサインです。「いつものこと」と油断していた結果、突然お湯が出なくなって困ってしまったというケースも見られます。10年使ったエコキュートは、修理をしてもすぐに別のトラブルが生じるおそれがあり、延長保証も切れるタイミングなので修理費用が膨らむ可能性もあります。

お湯が出ない・出が悪くなる

10年ほどお使いのエコキュートで「お湯が出ないときがある」「お湯の出が悪くなった」などと感じたら寿命が近づいたサインです。このような前兆があればまだ良いですが、突然故障してまったくお湯が出なくなることもあります。兆候を感じたら速やかに点検を依頼するか、使用年数によっては早めの交換を検討してください。

お湯の温度が安定しない

蛇口から出るお湯の温度が不安定だと感じるようになったら、寿命が近づいたと考えて良いでしょう。経年劣化による効率の低下、センサーや部品の不具合などが発生している可能性があります。10年ほどお使いのエコキュートの場合は特に、交換を検討するタイミングです。

水漏れなどのトラブルが発生する

設置直後なら工事の際の不備なども想定されますが、長くお使いのエコキュートで水漏れなどのトラブルが見られるようになったら、交換を検討するタイミングです。配管の修理程度で済めば良いですが、ヒートポンプや貯湯タンクおよび内部で発生している水漏れは、修理費用が高くなるおそれがあります。

保証が切れており、10年ほど使っているエコキュートの場合は速やかに交換を検討しましょう。

エコキュートの寿命を縮めないための使い方

どれだけ丁寧に使っていてもやがて寿命を迎えますが、使い方次第では余計に寿命を縮めてしまうこともあります。少しでも長く使うためにも、以下のような使い方・メンテナンスを心がけましょう。

ヒートポンプ周辺のスペースを確保する

ヒートポンプがお湯を作り出すためには、スムーズな吸気・排気が欠かせません。ヒートポンプと外壁の隙間が狭い(10cm未満など)、吹出口の前に障害物がある、雑草が吸気を邪魔しているなどという場合、ヒートポンプに負担がかかり寿命が縮まる可能性があります。ヒートポンプ周辺は、常に十分なスペースを確保するよう心がけましょう。

エコキュート本体や周辺はキレイにしておく

エコキュート本体は熱を帯びるため、設置場所によっては虫が集まりやすいでしょう。内部に入り込んでショートさせるなど、故障の原因になる可能性もあります。雑草を取り除くなどして、虫が集まりにくい環境を保つことも大切です。

またサビが発生すると外装の劣化も早まり、水漏れなどのトラブルが起こりやすくなります。塩害が懸念される海沿いの地域ではとくに、こまめなお手入れが大切です。本体のお手入れは乾いた布、もしくは水に濡らして固く絞った雑巾などで拭き掃除をする程度に留めましょう。水洗いは漏電による感電・故障の原因となるため控えてください。

タンク・アダプター・給水ストレーナーを清掃する

タンク内の水を2分程度排水し、タンクの底に溜まっていた沈殿物や湯垢を押し流しましょう。頻度は年2〜3回が目安です。詳しい手順はメーカーや機種で異なる場合があるため、取扱説明書をご確認ください。

また浴槽に設置したアダプター(ふろアダプター)は、水質などによって目詰まりすることがあります。取扱説明書を確認しながら、定期的にカバーを外して汚れを取り除くなどしてください。

そのほか、貯湯タンクの給水口に取り付けられた給水ストレーナーには、水道水に含まれる小さな異物やミネラル成分が固まった白い粉状の汚れが溜ります。半年から年1回は、給水ストレーナーを取り出してブラシでこすり洗いなどをしましょう。

メーカー推奨の入浴剤を使用する

エコキュートでは基本的に入浴剤の使用が可能です。しかしメーカーや機種によっては、使用を推奨されていない入浴剤があります。「にごりタイプはNG」「炭酸ガスによって発泡するタイプはNG」「硫黄、酸、アルカリ、塩分を含んだものはNG」といった具合です。

誤って使用すると故障の原因になりかねないため、お使いのエコキュートで使用可能な入浴剤を正しく把握しておきましょう。

積雪時は除雪する

積雪によってヒートポンプの給排気が阻害されたり、雪が内部に入り込んで誤作動を招いたりすることも考えられます。積雪時はヒートポンプやエコキュート本体および周辺の除雪作業も忘れないようにしましょう。

定期的に点検・メンテナンスを実施する

逃し弁が正常に作動しているか

  • 逃し弁の点検ふたを開く
  • レバーを上げる
  • 排水管からお湯が出るか確認する
  • レバーを下げてお湯が止まるか確認する
  • 点検ふたを閉める

※手順「4」でお湯が止まらないときは、レバーを何度か上げ下げしてみてください

逃し弁は、お湯を沸かす際に膨張した水を排出して、タンク内を適圧に保つために必要な部品です。逃し弁が正常に作動しなくなると、タンク内の圧力異常でタンクそのものが変形したり、その結果として水漏れが発生したりすることもあります。取扱説明書を確認し、定期的に点検をおこないましょう。

漏電遮断器が正常に作動しているか

  • 漏電遮断器のカバーを開く
  • テストボタンを押す
  • レバーが「ON」→「OFF」に切り替われば正常
  • 「ON」に戻してカバーを閉める

漏電遮断器はエコキュートの分電盤の中、もしくは屋外などに設置されています。漏電が発生した際に電気を遮断するための装置で、故障していると漏電に気づけず、感電や故障など重大なトラブルを招くおそれがあることからも、年に2〜3回ほどの定期点検が欠かせません。

テストボタンを押してもレバーが「OFF」に切り替わらないときは、放置せずに施工店または電気工事店に連絡を入れてください。

水漏れが発生していないか

エコキュート本体および配管、各部品の接続部分などから水漏れが発生していないか確認しましょう。配管の損傷や水漏れを疑う症状などが見られたら、放置せずに施工店やメーカーに連絡をしてください。

エコキュートの修理費用と交換費用の目安

修理費用の目安

  • 三菱電機:6,490〜188,100円程度
  • ダイキン:17,000〜70,000円程度
  • パナソニック:15,000〜75,000円程度
  • 日立:29,000〜124,000円程度

※出張費・技術料・部品代・消費税込み。実際の金額は点検・診断の結果によって変わります

上記は各メーカーが公表している修理費用の目安です。保証期間内かつ保証対象であれば無償ですが、それ以外のケースでは修理費用がかかります。

特に金額が大きい三菱電機の188,100円ですが、こちらは「お湯が沸かない、出ない」という症状があり、ヒートポンプ内部の冷媒回路が故障した場合にかかる費用です。決して特別なトラブルではないため、このような高額な修理費用が発生する可能性があることは、ぜひ知っておきましょう。

交換費用の目安

メーカーや機種、販売店などで異なるため一概にはいえませんが、一般的なエコキュートの交換(本体・リモコン・工事費などコミコミ)費用は40〜60万円程度が目安となります。なかでも40〜50万円あたりに収まる方が多いようです。

相見積もりを取ることが大切

エコキュートの修理費用や交換費用を少しでも抑えるため、相見積もりを取ることが大切です。修理費用も交換費用も高額ですから、提示された金額が相場とかけ離れていないか、名目に不明な点はないかなど、きちんと確認するようにしてください。

エコキュートを修理するか交換するかで迷ったとき

「10年使っているけどそろそろ交換したほうが良いのかな」「修理だけで様子を見ても大丈夫かな」と迷ったときは、以下を参考にしてみてください。

保証期間内かつ軽微な故障は修理がおすすめ

使用期間5〜7年など10年未満でメーカーの保証期間内、かつ、修理箇所が補償の対象になっている場合は修理がおすすめです。また補償範囲外だったとしても、数千円など安価で済むなら修理が選択肢になるでしょう。

逆をいえば、10年程度お使いでメーカーの保証期間が切れている(または補償範囲外)という場合、高額な修理費用がかかるおそれがありますし、修理をしてもまた別の箇所が故障するリスクも高いため、交換を検討しましょう。

修理が高額なら10年未満でも交換がおすすめ

たとえ10年未満でも、補償範囲外の故障で修理費用が高額になってしまうときは交換を検討することをおすすめします。故障の内容にもよりますが、再発リスクがある場合やあと少しプラスすれば新品に交換できるといった場合は、最新機種に交換したほうが電気代などもお得になります。

エコキュートは生活必需品!寿命が来る前に買い替えを

エコキュートの故障は生活にダイレクトに影響を与えます。しかし「突然お湯が出なくなる」というケースも多いため、交換時期については判断しづらく難しいところです。本記事でお伝えしてきましたが、10年を目安に交換を検討することをおすすめします。

とくに冬場は、エコキュートの故障が増えるため業者も手が回らず、商品が品薄になるケースも多く見られます。少しでも異常を感じた時点で早めに点検・交換をすることで、冬の寒い時期に使えなくて困るといった事態を避けましょう。

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